目次
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はじめに

ここは線形代数学の初歩的な内容について丁寧な説明を試みているサイトです。

対象

  • 大学の数学の初歩を学びたい中学・高校生
  • 大学の授業が難しくて困っている大学生
  • 初めて学ぶまたは学び直しをしたい社会人

など

あらすじ

矢印であらわされるベクトル

まずはじめに、矢印であらわされるベクトルの世界について説明がされていきます。つまり、平面(2次元)や空間(3次元)の中の矢印で取り扱うことのできるベクトルの世界の説明です。

この世界には、矢印どうしのたし算や矢印のスカラー倍という演算を導入することができます。 また、矢印をある仕方で別の矢印に「変換する操作」を導入することができますが、このような操作のうち「たし算」や「スカラー倍」を保つものが考察の対象になります。さらに、長さや角度を扱う「内積」と呼ばれる道具が導入されます。そして、「たし算」や「スカラー倍」という演算、「内積」という道具を使うことにより、直線や平面のような「まっすぐ」だったり「平ら」な図形はベクトルで扱うことができるようになります。また、図形をある方向に引き伸ばしたり相似な形に変形するような「変換」は「たし算」や「スカラー倍」を保つ変換であり、対称に移動する変換や回転のような変換はさらに「内積の値」を保つ変換であることがわかります。このような変換は一次写像と呼ばれるものの仲間で、一次写像は線形代数学の重要な考察対称となるものです。

平面や空間に座標系を設定したり、平面のベクトルの空間 \(V^2\) や空間のベクトルの空間 \(V^3\) の基底を選んで置くことにより、矢印であらわされる幾何ベクトルをいくつかの数の組であらわされる数ベクトルとして扱うことができるようになります。そして一次写像は行列であらわされるようになります。

数ベクトルと行列

平面や空間の幾何ベクトルは矢印であらわされるため直感的に理解できる面がありますが、3次元を超えるベクトルを矢印で想像するのは難しい面があります。 一方、数ベクトルは数を並べて組にしているだけですから、たくさんの数を並べることによりいくらでも高い次元のベクトルを扱うことができます。 このようにして、矢印であらわされるベクトルの世界を越えて、数ベクトルや行列の言葉で次元に関係なくベクトルの世界を構築していくことができるようになります。そして、数ベクトルや行列は線形代数学の主要な道具となるわけです。

…… 続く

平面や空間の座標系